ハノイの純情、サイゴンの夢 (講談社文庫)



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ハノイの純情、サイゴンの夢 (講談社文庫)
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ベトナムの日本語学校

 1994年に出た単行本『ハノイ日本語学校始末記』の改題・文庫化。ただし、後半部分のベトナム・ウォッチングや旅行記は、新たに加え足られたもの。
 ベトナムの難しさを教えてくれる本。政治的腐敗、ベトナム戦争に起因する差別、外国人との心の隙間。そういうつらさを体験した著者の偽らざる文章であった。ベトナムの未来を考えると、読んでいて陰鬱になる。それでも著者はめげずに頑張っていく。瑞々しい感性、正義感、思い切りの良さに救われた気分だ。
著者の等身大の視点に共感

ヴェトナムツアーが流行り始めてから、ヴェトナム関連本がブワーッと出た。
だいたいヴェトナム関連本というと、私は大雑把に二つに分けている。ヴェトナム戦争を中心にした歴史・政治本と、ファッションや現地の人々と交流をしたツアー本。どちらも好きだ。神田氏が書いたこの本は、どっちも描かれていて、面白い。しかも文庫本でカラー写真が多いのも好きだ。

特に、神田氏が第4章、第5章で怒りと悲しみを持って書いた「学校の校長の暴挙に対する反抗」は心打たれた。「さもありなん」という気がした。半日しか体験したことのないヴェトナムだが、この国はほとんど「袖の下」国家というのは私も感じられた。アオザイの美しさに惑わされて行くと、とんでもない痛手を食らう国かもしれない。

また「べトナム・ウォッチャー」は、圧巻だ。このページの「バオベイさんの思い出」「気のいい日本人マスターのいる店」を読んだら心が痛んだ。また「バックパッカークソ食らえ!!」は、なんとなく共感できた。

神田氏の文体の魅力は、「等身大」というところだと思う。初めて行った「抱きビール」(ヴェトナムのピンクキャバレーらしい)で、友達がよろしくやってる脇で、彼一人お相手の女の子とヴェトナム語の数の練習をしていたという件は笑ってしまう。こういうきわどいシーンを書いても、全くいやらしさを感じさせないのは神田氏が「隠そうとしないから」だと思う。ちょっと原田宗典氏の文体と似てる。この人のほかの本を読みたいな?と思った。ヴェトナム好きな方には一読お勧めします。疲れず、また「ほんとにヴェトナム好きなんだなー、このひと」と思わされる本です。
現地の視点

近藤紘一氏の著書によりベトナムにはまった(と思われる)著者はハノイ、サイゴン(ホーチミン)で日本語教師となる。
躍動・発展するベトナムの今を、関西人の視点で突っ込む!
現地では日本のNGOをどのように見ているのか?
実名すれすれで、鋭く突っ込む!
現地で長期間生活した人にしか書けない、裏の世界。
とにかく熱い! 読みどころ満載である。



講談社
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