人力地球縦断



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人力地球縦断

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人力に乾杯

著者は出発点のアラスカで、イヌイットの老人と「これからどこへ行くんだ?」「南へ行くんだ」「ここから北へ行くことはできないからな、ワハハハハ」という会話を交わしたという。なかなか哲学的な会話である。この会話を聞いた人ならこの老人は男性だと思うだろう。ところが続編の中南米編の旅の終着点、アルゼンチン南端のウシュアイアでの回想シーンではこの会話が「あなたこれからどこへ行くの?」「南です」「そうね北に行くことはできないわね、アハハ」となっていた。やや違和感あり。
北米編の旅はアラスカからパナマまでである。読み始めたとき、私は勝手にこの旅は当然連続して行われたものだと思っていたが、そうではなく、著者は途中何回も日本に帰国していた。重装備を日本に持ち帰ってくれたりするガールフレンドのサポートもあって、そんなのあり?と思った。同じ頃、井上洋平氏の「自転車五大陸走破」を読み、自転車盗難のため1回だけ帰国を余儀なくされたほかは全く帰国せず、ひとりきりで五大陸を駆け抜けた井上氏のことが頭にあったので、そう思えたのだろう。
それはさておき、人力で地球を縦断するという著者のアイディアはすばらしい。自転車、カヌーもこなす上、途中で6000メートル級の登山もしてしまうという著者はすごい。機械の力に頼ろうとせず(ちょっと飛行機で飛んでいた部分もあったけどね)「オレは強いんだ。問題はない」という著者に拍手を送りたい。




山と溪谷社
人力地球縦断 中・南米編